天才になるための裏技?!天才数学者ファイゲンバウムの「26時間生活」のすすめ

この記事では、天才数学者ファイゲンバウムが実践した「26時間生活」についてご紹介します。
「26時間生活」によって、ありきたりな生活から脱して、天才に近づくことができるかもしれません。
そして、「自分の時間」を見つめ直すことで、アフターコロナの時代の新しい生き方を考えましょう。

「26時間生活」とは

「26時間生活」とは、一日を26時間とする生活のことです。通常の1日は24時間ですから、2時間ずつ、本来の1日の周期からずれていくことになります。

これを始めたのが、数学者ミッチェル・ジェイ・ファイゲンバウムです。

ファイゲンバウム(2006年) - Predrag Cvitanović, birdtracks / CC BY-SA

ミッチェル・ファイゲンバウムが、1日を24時間ではなくて26時間として生活を始めたのだ。ファイゲンバウムの1日の生活は同僚たちの生活からずれ始めた。

ロッド・ジャドキンス著、島内哲朗 訳『「クリエイティブ」の処方箋』189ページ

「26時間生活」は何のため?

「予定との時間が合わない」、「体調を崩しそう」などなど、すこし想像するだけで、「26時間生活」には多くの不都合が伴うことが予想できます。

それなのになぜ、ファイゲンバウムは「26時間生活」をしようと思ったのでしょうか。

ファイゲンバウムはカオス理論を研究していたので、日常生活に無作為性を導入してみたのだった。1日26時間の生活を送りながら、彼は伝統的な科学的思考もやめることにした。

ロッド・ジャドキンス著、島内哲朗 訳『「クリエイティブ」の処方箋』189ページ

つまり、伝統的な思考をやめて非凡になるために、ファイゲンバウムは「26時間生活」を導入したのです。新しい世界を見るために、普通の生活をやめることにしたということです。

「26時間生活」を実践するには

仕事の都合などで、普通の人にはなかなか難しい「26時間生活」(ファイゲンバウムは仕事仲間を困らせながら実践していたようですが・・・)。これを実際に行うためには、どうすればよいでしょうか。

1日の24時間を、26時間とくらべると、そのずれの量は2時間になります。24時間を2時間で割ると、24/2=12、つまり、12回でずれが一巡してもとに戻る計算になります。
12回つづけると普通よりも1日分多くなる、つまり、12回寝て起きてを繰り返すと13日経っているという計算になります。

つまり、13日間の予定をうまく調整できれば、26時間生活の1セット(12回の就寝と起床)が実行できます。

「26時間生活」を実行すると、他の人達にとっての13日間は、自分にとっては12日間になります。まるで他の星にいるみたいですね☆

多くの人にとっては、緊急事態宣言で外出自粛の今がチャンスかもしれません。今しかできない貴重な体験になるかもしれません。

ファイゲンバウムが研究する「複雑系」とは?

ファイゲンバウムは、複雑系(カオス)理論の数学者です。複雑系は難しい分野なので、その説明も難しいのですが、ある説明の仕方をすれば「初期条件のわずかな違いが、大きな結果の違いを生むような計算モデル」と説明できます。

簡単に言えば、複雑系理論とは「人生」のようなものです。若い頃の人生の選択が、その後の人生に大きな影響を与えるのと似ていますね。まさにこのことを題材にし、複雑系を人生に例えた「バタフライ・エフェクト」という映画もあります。

この複雑系理論で重要なのが「時間」の概念です。最初は小さな違いであっても、時間が進めば進むほど、大きな違いが生まれてきます。つまり、大きな違いを生み出している最も大きな要因は「時間」なのです。

ある瞬間に劇的な変化が起きる計算モデル「ロジスティック写像」

複雑系理論で重要な概念の一つに、「ロジスティック写像」があります。まさにファイゲンバウムが研究していたものの一つです。
Bifurcation diagram logistic map a 3 to 3.6
3から3.6までのロジスティック写像 - Yapparina / CC0

この図の中で、時間は左から右へと流れてゆきます。最初は単純な一本の線(この図では表示されていません)ですが、やがて2本になり、4本になり、そして3.57あたりで突然、複雑になります。この突然複雑になる3.56994…の場所は、彼の名前をとって「ファイゲンバウム点」と呼ばれています。

この一見奇妙で複雑な「ロジスティック写像」ですが、実に単純な計算から導き出されます。

LogisticCobwebChaos
ロジスティック蜘蛛の巣のカオス - Sam Derbyshire at the English Wikipedia / CC BY-SA

上の図は、直線と少しずつ変化する放物線にたいして規則的に張られた、直角に曲がる特殊な赤いくもの巣の様子を示しています。はじめのうちは、くもの巣は単純な形をしていますが、「ファイゲンバウム点」である3.56994…を超えた瞬間に、複雑になります。

「ロジスティック写像」の「ファイゲンバウム点」には、とても刺激的で芸術的な魅力がありますね。「普段の日常が、一変する瞬間」「天才的なひらめきが、天から舞い降りる瞬間」、そんな例えができるのではないでしょうか。そして、その瞬間がいつなのかは、その時になるまでわからないのです。

ファイゲンバウムはもしかしたら、「ロジスティック写像」のような、次に何が起こるかわからないワクワクした日常や、「ファイゲンバウム点」のような劇的な瞬間を体験してみたくて、「26時間生活」を思いついたのかもしれません。

「26時間生活」でクリエイティブな人生を

「26時間生活」は、ロッド・ジャドキング著・島内哲朗 訳の『「クリエイティブ」の処方箋』という本の189〜192ページで紹介されていました。

ジャドキングさんはこの本で、「26時間生活」を『時間の使い方を自分に合わせる』という見出しで紹介し、『時間割に沿って生きていては、クリエイティブに考えることも、行動することもできない。』と説いています。

この本では、「26時間生活」の他にも計86個の「クリエイティブの処方箋」が紹介されています。さまざまな、「発想のアイデア」が詰まったおすすめの一冊です。

「26時間生活」を通してこれからの時代の生活を考えよう

新型コロナウイルスの影響から、我々の生活は大きく変化しようとしています。ほとんどの人が予想していなかった、全人類が家に引きこもるという生活が今、現実のものとなっています。

ほとんどの時間を家ですごす今の時期こそ、「自分の時間」についてよく考えることが重要になってきています。アフターコロナと呼ばれるの新しい時代の生活様式を、クリエイティブに考えてゆく一つのきっかけとして、「26時間生活」を試してみてはいかがでしょうか。

おわりに

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